同じように忙しかったり、複雑な人間関係に囲まれていても、「ストレスに強い」と言われる人がいる一方で、「ちょっとしたことに動揺してしまう」「落ち込みやすい」と悩む人もいますよね。
実は、「ストレスに強い人」と「ストレスに弱い人」の間には、ある“たった1つの違い”が存在するとも言われています。決して生まれつきの才能や性格だけの問題ではなく、意識やアプローチ次第で変化していけることなんですよ。
今日は、そんな“ストレスに強い人と弱い人を分ける1つのポイント”と、その違いを上手に活かして日々をラクにする具体的な方法をお伝えします。
そもそも、私たちが感じるストレスは何をきっかけに生まれるのでしょうか?
家庭や職場、友人関係、SNS……。いろんな要因があり、その強さや形は人それぞれ違います。けれど、同じ出来事に遭遇しても「笑い飛ばせる人」と「大きく落ち込んでしまう人」がいるのも事実ですよね。
実際にストレスに弱いと感じる方には、こんな悩みが多いんです。
自分のせいでうまくいかないんじゃないか…と責めてしまう
ちょっとした相手の表情や言い方に過敏に反応して、ずっと心に残る
些細な失敗をずっと引きずってしまい、立て直しに時間がかかる
ネガティブなニュースやSNSを見て、不安になって眠れなくなる
疲れを上手に発散できず、体の不調まで出てきてしまう
結果として、自分の性格そのものを「なんて弱いんだろう…」と批判し、自信をなくしてしまうわけですね。
一方で、“どんな逆境にも負けないメンタルを持つ人”はいったい何が違うのか?
大学の研究でも、「ストレスへの耐性が高い人は、特定の認知パターンを持っている」と報告されています。それが今回お伝えする「たった1つの違い」なのです。
ストレスに強い人・弱い人の間にあるたった1つの違い――。
それは「物事が起きたときの“捉え方(マインドセット)”」です。
たとえば、仕事で失敗をしてしまったとき、「ああ、やっぱり自分は役に立たない…」と丸ごと自分を否定してしまうのか、「こういう失敗をしたのは今回が初めて。次はどう防げばいいかな?」と前向きに対策を考えられるのか。
ストレスに強い人ほど、「失敗しても価値がなくなるわけではない」「誰だってミスはある」と自分を柔らかく受け止めながら問題を分解して前に進もうとするんですね。
心理学者キャロル・ドゥエックによる「マインドセット理論」では、人のメンタルを大きく左右するのは「成長志向」で考えられるかどうか、つまり「苦しい出来事があっても、自分は変化し成長できる」と思えているかどうか、という説明があります。これがあるかないかで、ストレスの抱え方は驚くほど変わります。
では、「ストレスへの捉え方を変える」具体的なステップを見ていきましょう。
大丈夫。そんなに難しく構えなくてもOKです。誰でも少しの工夫で、ストレスの波にのみこまれずにすむようになりますよ。
ストレスに強くなる5ステップ
ステップ1:小さな失敗やうまくいかなかったことを書き出す
何かが起きて動揺したり落ち込んだりしたら、一旦メモに書き出してみるんです。
「怒られた」「ミスしてしまった」「期待に沿えなかった」など――頭の中だけで考えるより、紙やスマホメモに外在化させるほうが、自分の反応を客観的に見られます。
実際に心理学研究では、頭の中のネガティブ感情をアウトプットすると、ストレスホルモンが低下しやすいという結果が出ています。
ステップ2:そこに“成長の余地”を加えて書き足す
単なる失敗メモで終わらせず、「これがあれば次はやり方を変えられる」「一度ミスしたからこそ◯◯が学べた」という形で、「プラスの観点」を探して書き足してみるんです。
「完璧に直さなきゃ!」じゃなくてOK。気づいたことを一言書き添えるだけでも、脳は「この事柄は成長のきっかけなんだな」と認識し始めます。
ステップ3:日常の合間に“リセット呼吸”を取り入れる
ストレスを引きずりやすい人は「呼吸が浅い」ことが多いのだとか。意識して深呼吸し、「吸う:5秒、止める:2秒、吐く:7秒」くらいを1セットで2〜3回やってみましょう。
これは、自律神経研究でも「深い呼吸で副交感神経が優位になり、ストレス対策に有効」と言われています。呼吸を意識するだけで、次の行動に切り替えやすくなりますよ。
ステップ4:ミニ“成功体験”を積む
ストレス耐性を上げるには、「成功感覚」を日常的に味わうことも大切。歯磨きや食器洗いなど、どんな些細なことでも「できた!」と認めるのです。
自分に「よくやったね」と声をかけるだけでも、脳が達成のホルモンを分泌しやすくなり、「次もやれるかも」という感覚を育てます。自宅でも仕事場でも、ちっちゃな成長を見逃さない習慣が“ストレスに強い心”を育むんですね。
ステップ5:お守りフレーズを決めておく
「絶対大丈夫」「わたしはあるがままで素晴らしい」「これは成功へのプロセスになる」など、自分が少し楽になれる言葉をあらかじめ決めておくのもおすすめ。
嫌なことがあったとき、心の中や小声でつぶやくと不思議と落ち着くんです。なんと、“アファメーション”を唱える習慣がある人は、ストレスで心が折れにくいと示唆されているんです。
ストレスに弱い人ほど「私ってダメだ」と自分を“壊れ物”のように捉えてしまいがち。ですが、本当はあなたの中にはちゃんと“回復力”が備わっているんです。
何かミスや失敗があって落ち込んだときも、自分を「直さなきゃ」と思うより、「育ててあげよう」と思うほうがずっと優しいし、メンタルにもやさしいですよね。
「失敗は可能性」「ストレスは変われるサイン」――こうした捉え方を練習すると、人生に訪れるさまざまな出来事に対して「あ、これは私の成長イベントなんだな」と思えるようになり、必要以上に落ち込まずに行動できるようになります。
ストレスに強い人と弱い人、その違いは「いま起きている出来事をどう捉えるか」という柔軟なマインドセットでした。
厳しい状況にあっても、「そこから何を学ぶか」「私にはまだ可能性がある」と視点を向けるだけで、“成長モード”がONになり、ストレスで押しつぶされにくくなるんです。
いま、もしつらい状況に直面していたり、「私はストレスに弱くて情けない」と思っているなら、それだけあなたは敏感で、いろんなことに気づきやすい素晴らしい資質を持っています。
しかも、気づきや学びを活かせるだけの余白を、これから作ってあげることができるんです。
呼吸を整えることから始めて、ちょっとだけ捉え方を変えてみる。
ミニ成功体験を積みながら、「大丈夫、私はまた成長している」と優しく自分に言い聞かせる。
少しずつ進むうちに、不思議と肩の力が抜けて、「なんとかなるかも」「いけるじゃん」と思える瞬間がやってきますよ。
大丈夫。あなたにはちゃんと「乗り越える力」が備わっています。
どうか今の弱っている気持ちすら、あなたの優しさや成長の余地だと捉えてあげてくださいね。
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