『動じない心の作り方』３つのステップ

「最近、職場でも家庭でも、思わぬトラブルが次々起きてなんだか落ち着かない……。もっとどっしりと、動じない心を持てたらいいのに」そんな気持ちになること、ありませんか？

実は、外の環境がどんなに激しく変わっても、しなやかに受け流せるとしたら、あなたの日常はストレスを受ける感覚が軽くなると思いませんか？

今回は「動じない心」の作り方を３つのステップに分けてお伝えします。ほんの少し時間をとって読んでいただき、頭と心をゆるめることで、あなたの心にしなやかな強さを育んでいきますよ。

「大丈夫、何が起きても私はブレないはず」と思っていたのに、いざ想定外の出来事が起こると、一瞬でパニックになってしまう……。私たちの心は、意外なほど“小さな揺れ”で不安定になりがちです。

職場でのミス、子どもの反抗やパートナーとのすれ違い、さらにはSNSで目にした誰かの成功談――こうしたさまざまな刺激に翻弄されるうちに、気づけば自分に余裕がなくなっている方は多いのではないでしょうか。

実は、心理学の研究でも、ストレスがかかったときに人が感じる「頭の混乱」や「イライラ」は、脳の扁桃体が過剰に活性化しているサインであることが示されています。扁桃体は危険や不安を察知すると全身に“身構えろ”という指令を出し、結果として気持ちが落ち着かず、余裕がなくなってしまうのです。

しかし、だからといって「もうしょうがないよ」「私には無理だよ」とあきらめなくて大丈夫です。扁桃体の過剰な反応を和らげ、心を安定した状態に切り替える練習をすることで、どんなに忙しい日々のなかでも揺らぎにくい心を育てることができます。

動じない心をつくるポイントは、“一気に変えよう”とせず、生活のなかでやさしく習慣化していくこと。なぜなら、私たちの心は、日常の小さな積み重ねで整っていく性質を持つからです。
「特別な研修やセラピーを受けなきゃ？」と思うかもしれませんが、まずはほんの数分でできるステップを一つずつ取り入れてみるだけでも、内面の安定感は増していきます。忙しく働く女性や家事・育児を頑張る主婦の方、および50代以降で心のゆとりを欲している方でも、日常で実行しやすい方法を意識してみてくださいね。

最初に少しだけ概要をお伝えすると、以下の３ステップで進めると、びっくりするほど自分の内側がホッとほどけやすくなります。

まずは「呼吸」で揺れを受け止めることを学びます。次に「視線の向け方」を工夫して、不安を客観視する力を育てます。最後に「内なる言葉がけ」で、あなたの心を強くあたたかく保つ準備をします。

大切なのは、どのステップでも“成功・失敗は一切考えず、まずやってみる”ということ。うまくいかなくても責めずに、少しずつ慣れていきましょう。

一つめのステップは「ゆっくり呼吸する時間を、１日に数回だけでも確保する」ことです。

たとえば朝起きた直後、夜寝る前、昼休憩の合間など、わずか３０秒でも構いません。

鼻から吸って、口からはぁっと吐きだす呼吸に意識を向けるだけで、脳の過剰な緊張がゆるみはじめます。とくに朝は、まだ固まっていない頭で呼吸に集中しやすく、夜はその日のストレスを“吐き出す”ように呼吸すると、気持ちが落ちつきやすいです。

二つめのステップは、「視線を動かす」練習です。イライラや不安にとらわれそうになったら、視線を自分の手や足、あるいは部屋のものなどにゆっくり移し、いまここに戻ってきましょう。

人間の脳は“見ているもの”に気持ちを縛られやすいので、意図的に視線を変えるだけで、思考のループを断ち切りやすくなります。

三つめのステップは、「内なる言葉がけ」をやさしくすることです。

私たちは普段、気づかないうちに自分を厳しく責める“心の声”を発していることが多いです。「やっぱりダメだ」とか「どうせ失敗するし」など、そんなフレーズを自分に投げかけていると、扁桃体が不安信号を出しやすくなってしまいます。

だからこそ、「失敗しても大丈夫」「私は今日もよく頑張ってる」など、自分を肯定する言葉を意識的に増やしてみてください。最初は照れくさいと思うかもしれませんが、習慣化すると驚くほど“ぶれにくい心”の下地が整ってきます。

動じない心を育てる３ステップ、おさらいすると「呼吸で揺れを受けとめる」「視線を変えて思考の堂々巡りを断つ」「内なる言葉がけを優しくする」という流れでした。

何か特別な才能や資格は必要ありません。あなたの日常に、ほんの数秒ずつでもこのステップを意識すれば、不安やイライラの嵐に巻き込まれそうなときも「でも、私なら落ち着けるかも」と思える瞬間が増えていくでしょう。

焦らなくて大丈夫。最初はうまくいかなくても、ほんの少しずつ続ければ、あなたの心は徐々に“やわらかく強く”変わっていきます。ふと気づけば、目の前の出来事に動じにくくなっている自分に驚くかもしれません。

どんなに忙しくても、自分をほんのりいたわる時間をもつだけで、心の重荷はだんだん軽くなるんです。どうか、毎日の慌ただしさの中でも「呼吸してみよう」「視線を変えてみよう」「自分に優しい言葉をかけよう」という合図を思い出してみてください。あなたの心は必ず、しなやかに揺らぎにくい強さを得られます。今日からぜひ始めてみませんか。あなたなら大丈夫。心から応援しています。